get_products 仕様におけるブリーフの期待値と必須要件を定義し、パブリッシャーへの実装ガイダンスとバイヤーへの明確な期待値を示します。
概要
AdCP におけるブリーフは、キャンペーン要件を自然言語で記述し、パブリッシャーがメディアバイのリクエストを理解し実行するうえでの助けとなります。ブリーフはシンプルでも詳細でも構いませんが、充実しているほど、より適切な商品提案と効率的なキャンペーン運用が可能になります。必須コンポーネント
すべてのget_products と create_media_buy リクエストに 必須:
Brand Manifest
brand_manifest フィールドはすべてのリクエストで 必須 です。広告主ブランドを特定します。
- ポリシー制限の適用(年齢制限、禁止カテゴリなど)
- ブランドの真正性確認
- ブランドセーフティ基準の遵守
Brief フィールド
brief フィールドでは 何を訴求しているか と キャンペーン要件 を記述します。
ブリーフが任意となるケース
brief フィールドは 任意 です。標準カタログを取得したいときなど正当なケースがあります。
標準カタログの探索
ターゲティングなしでパブリッシャーの標準商品カタログを確認したい場合:- パブリッシャーの 標準商品カタログ を取得
- オーディエンスターゲティングやニッチ商品はなし
- 全広告主に提供される基本的な商品を返す
- 初期の情報収集やプランニングに有効
ブリーフ不要となるシナリオ
- 初期探索 - パブリッシャーのインベントリを把握したい
- バイヤー側のターゲティング - AXE 経由で独自のオーディエンスセグメントを利用する
- 商品を直接指定 - 特定の商品 ID をすでに把握している
- 常時稼働キャンペーン - 既存キャンペーンの補充
例: 標準カタログのリクエスト
- パブリッシャーは 標準カタログ を返す
- パーソナライズやブリーフに紐づく商品は返さない
- 広告主が利用できるベースラインの在庫を提供
- バイヤーは AXE を通じて独自のターゲティングを適用可能
- 目的は利用可能な在庫の把握
ブリーフの主要要素
brief を提供する場合、次の要素を含めると効果的です。
1. ビジネス目標
キャンペーンで達成したいこと- Awareness: ブランド認知やプロダクト認知の向上
- Consideration: 興味・検討を促進
- Conversion: 売上やサインアップの獲得
- Retention: 既存顧客の再エンゲージ
- App installs: モバイルアプリのインストール促進
- Lead generation: リード獲得
- Traffic: Web/店舗への送客
2. 成功指標
成功をどう測るか- CTR (Click-Through Rate): エンゲージメントの測定
- CPA (Cost Per Acquisition): コンバージョン効率
- ROAS (Return on Ad Spend): 収益貢献
- Brand lift: 認知・好意度の向上
- Video completion rate: コンテンツ消化度
- Conversion rate: 行動完了率
- Reach and frequency: 到達と接触頻度
3. フライト期間
いつ配信するか- Start date: 開始日
- End date: 終了日
- Specific periods: 祝日・イベント・プロモーション期間
- Blackout dates: 配信を避ける日
- Dayparting requirements: 時間帯の希望
任意のコンポーネント
これらを含めると提案の質が向上します。ターゲットオーディエンス
誰に届けたいかDemographics
- 年齢範囲(例: 25-34, 35-44)
- 性自認
- 世帯収入
- 学歴
- 親かどうか
- 雇用状況
Psychographics
- 興味・関心
- ライフスタイル属性
- 価値観・信念
- 購買行動
- メディア接触習慣
- テクノロジー採用度
Behavioral Signals
- 過去の購買行動
- Web 訪問履歴
- アプリ利用状況
- コンテンツエンゲージメント
- カート放棄
予算情報
支出条件- Total budget: 総予算
- Daily budget: 日次上限
- Budget flexibility: 変更余地
- Cost constraints: CPM 上限や効率要件
- Budget allocation: 商品や期間への配分
地域
どこに配信するか- Countries: 国
- Regions/States: 国内の地域や州
- Cities/DMAs: 都市・DMA
- Postal codes: より細かい地域
- Exclusions: 配信除外エリア
クリエイティブの制約
フォーマットやコンテンツ要件- Available formats: Video, audio, display, native
- Creative variations: 用意できるバリエーション数
- Language versions: 対応言語
- Technical limitations: ファイルサイズ、尺など
- Brand guidelines: 色・ロゴ・メッセージの要件
ブランドセーフティ要件
避けたいコンテンツ- Blocked categories: 除外したいカテゴリ
- Sensitive topics: 回避したいテーマ
- Competitor separation: 競合ブランドの同時掲載回避
- Quality standards: ビューアビリティや不正防止
- Certification requirements: TAG, MRC など
ブリーフの充実度レベル
パブリッシャーは、ブリーフの充実度に応じて柔軟に対応すべきです。ブリーフなし(標準カタログ)
最小限のブリーフ
標準的なブリーフ
包括的なブリーフ
実装ガイドライン
パブリッシャー向け
- ブリーフ要素の抽出: 重要項目をプログラム的に抽出
- 不完全な情報への対応: 不足している重要情報を丁寧に確認
- ガイダンスの提供: 追加すると有益な情報を示す
- スマートなマッチング: 自然言語を解釈し、AI を活用して商品にマップ
- 関連性の説明: レスポンスでは必ず
brief_relevanceを返す
バイヤー向け
- 具体的に記述: 詳細が多いほど精度の高い提案が得られる
- 目標の優先順位: 主要目標と副次目標を明確にする
- 背景の共有: 市場状況や競合環境を含める
- 反復的に更新: パブリッシャーのフィードバックを受けてブリーフを改善
- 整合性の維持: ブリーフと promoted offering を一致させる
ブリーフ処理フロー
確認事項の扱い
ブリーフに明確化が必要な場合、パブリッシャーは次を行います。- 具体的な質問をする: 欠けている重要情報に絞る
- 例を示す: 望ましい情報の例を提示
- コンテキストを保持: 以前のブリーフ内容を忘れない
- デフォルトを提案: 妥当な仮定を示す
- 段階的に開示: 質問を一度に出し過ぎない
自然言語処理
パブリッシャーは NLP を用いて次を抽出すべきです。- 時間表現: “next quarter”, “holiday season”, “ASAP”
- 予算の示唆: “$50K”, “low budget”, “premium spend”
- オーディエンス描写: “millennials”, “high-income”, “parents”
- 地理的参照: “west coast”, “major cities”, “nationwide”
- 目標キーワード: “awareness”, “drive sales”, “generate leads”
ベストプラクティス
DO:
- ✅ brand_manifest と brief の両方に広告主と商品を記載する
- ✅ 測定可能な成功指標を明示する
- ✅ 配信期間を明確にする
- ✅ ターゲットオーディエンスを具体的に記述する
- ✅ 利用可能なクリエイティブフォーマットを記載する
- ✅ 予算や制約を示す
- ✅ ブランドセーフティ要件を含める
DON’T:
- ❌ “good performance” のような曖昧な目標だけを書く
- ❌ 期間を省略して、後からの確認を期待する
- ❌ 定義されていない略語や業界用語だけで記述する
- ❌ brand_manifest と brief で矛盾した内容を入れる
- ❌ センシティブまたは機密情報を含める
- ❌ パブリッシャーが自社事情を理解していると想定する
例
標準カタログ(ブリーフなし)
EC のブリーフ
B2B ソフトウェアのブリーフ
ローカルサービスのブリーフ
まとめ
ブリーフの役割は買い手によって異なります。- 発見重視のバイヤー: 詳細なブリーフにより最適な商品提案を受けられる
- ターゲティング重視のバイヤー: ブリーフを省略し、フィルターで広い在庫を取得し、自前のターゲティングを適用
- ハイブリッド: 最小限のブリーフで選択肢を絞りつつ、ターゲティングの主導権を維持